ヒーリングタッチの歴史

ーリングタッチの歴史を語る時、創始者であるジャネット・メントゲン女史を抜きには語れません。ジャネットさんは、40年以上にわたり、たゆまない努力と学びを通じて身につけたエネルギー療法を取り入れた看護活動を地道に続けてこられたホリスティック・ナースでした。そして、訪問看護師として働く傍ら、ナースの為の継続教育プログラムとして、コロラド州のコミュニティーカレッジで、タッチを使ったホリスティック看護の講座で教えていました。ジャネットさんの長年にわたる研究とホリスティックナースとしての臨床活動と教育の成果が認められ、1988年にアメリカホリスティック看護協会が、ホリスティックナース栄誉賞を授与しました。ジャネットさんは、その後1989年に、コロラド・ヒーリングタッチ・センター(Colorado Center for Healing Touch)を開設し、1990年にはアメリカホリスティック看護協会から認可を受けたヒーリングタッチ・プログラムを確立し、2つの大学で試験的にプログラムを開催しました。プログラムはその後飛躍的な成長を続け、1993年には、アメリカホリスティック看護協会の認定する正式な認定プログラムとして確立しました。

そしてその後ジャネットさんの強い希望で、ナースだけではなく、全ての人に幅広く公開された世界レベルの認定プログラムを提供する為、1996年には、ヒーリングタッチ・インターナショナルが創立されました。(注:現在同じ名前を使って活動を継続しているヒーリングタッチ・インターナショナルは、ジャネットさん亡くなられた直後の2008年に、ヒーリングタッチ認定プログラムから離脱し、現在はヒーリングタッチ認定プログラムとは関係のない組織となりました。その為、2008年より、認定システムはヒーリングタッチ・インターナショナルからヒーリングタッチ認定プログラムに移行されました。日本でも2007年よりヒーリングタッチ・インターナショナルのアメリカ人講師を招いてヒーリングタッチの講習会を開催している組織が存在しますが、それらは米国ヒーリングタッチ認定プログラムから認可を受けたプログラムではありません。)

ジャネットさんが亡くなられた後も、ヒーリングタッチ認定プログラムは更なる成長を続け、現在日本も含めて、世界34カ国に広まり10万人以上の人達が学ぶ世界的なプログラムと して活動を続けています。ヒーリングタッチ認定プログラムは、ジャネットさんのレガシーを引き継いだヒーリングタッチ認定プログラムのリーダー達の弛まない努力で、アメリカ看護資格認定センター(ANCC = American Nursing Credentialing Center)から正式な看護教育プログラムとして認可を受け、2013年からは、アメリカ国立資格認 定センター(NCCA = National Commission for Certifiying Agencies)の認可を受けてヒーリングタッチ認定プラクティショナーとして国家資格を取得することもできるようになりました。これは、エネルギー療法の分野では、ヒーリングタッチ認定プログラムが初めて達成した功績です。更に、アメリカホリスティック看護 協会(ANA = American Nurses Association)も引き続きヒーリングタッチ認定プログラムをホリスティック看護教育の一つとして認定しています。

私が最後にジャネットさんと、個人的にお話をしたのは、2005年の5月、死期が近いことを悟ったジャネットさんが、当時のインストラクターをヒーリングタッチの発祥の地と言われているコロラドのシャドークリフ・リトリートセンターに呼び集められたリトリートに参加した時でした。ジャネットさんは、乳癌の治療でかなり体力が消耗していた時でしたが、、一人一人のインストラクターと話す時間も作って下さいました。体を休める為にソファに横になったジャネットさんの前で、緊張した私の口から出た言葉は、「いつ、どのようにしてかはまったく検討がつきませんが、ヒーリングタッチを日本に紹介するのは、私に与えられた仕事だと感じています。」という予期しないものでした。自分で自分の言っている言葉に驚いている自分がいました。そしてその時のジャネットさんのお言葉は、単純明解、「それがあなたの仕事かもしれませんね。自分の氣持ちに沿うことですね。」でした。その時、表面的には驚くほどそっけない対応に、心が大きく揺さぶられたのを今でもはっきり覚えています。ジャネットさんは口先の言葉ではなく、氣で私に語りかけてくれていたのだと思います。

ジャネットさんとの会話から5年後の2010年の8月。私は思いがけない人達との繋がりと、たくさんの人達のご厚意に支えられて、日本で初めてのヒーリングタッチ認定プログラムを、群馬大学で、12人のナース達と共に開催する事ができました。それから数年の間に500人近くの方がヒーリングタッチの講習会を受講されています。過去数年の間に、ヒーリングタッチ・ジャパンの活動を通じて、日本各地で講習会や講演を開催し、たくさんの人達にヒーリングタッチを紹介することができたことは、氣に導かれて実現した、不思議で、有難い、体験でした。

これからも、ジャネットさんの残してくれた大切な遺産ヒーリングタッチを、一人でも多くの日本人に紹介し、人々が元氣を取り戻し、元氣に生きていけるお手伝いをするのが、私のライフワークの一つだと実感しています。これからのヒーリングタッチ・ジャパンの展望は、日本語でスタンダード・カリキュラムに基づいてヒーリングタッチの勉強を安心して続けられる環境づ くりと、 日本での資格認定体制を作り上げていく事です。そして更に、日本人の持つ感性が、ヒーリングタッチの持つ癒しの原理を更に深く、幅広く理解し活用できる機 会を生み出し、日本で深まった「癒しの感性と技」をヒーリングタッチ・ジャパンの活動を通じて世界に発信して行く事です。

日本各地での講習会や講演活動を通じて、多くの方々とお会いできる事を心より願ってます。これからも、どうぞよろしくお願い致します。

ジャネットさんが開発したヒーリングタッチ認定プログラムは、従来の医療モデルに大きな影響をもたらしました。多くの病院では、統合医療の一環としてヒーリングタッチを取り入れる病院が増えています。そして彼女の残したレガシーは、その後も多くの認定講師や認定プラクティショナーによって引き継がれています。

Rumi Hashimoto, MSN, RN, HTCP/I
橋本ルミ、ヒーリングタッチ・ジャパン代表
2016年5月、カリフォルニアにて。

追記:米国に本部をおくヒーリングタッチ認定プログラムHealing Touch Programのホームページには、ジャネットさんの物語が英文で詳しく掲載されています。英語が得意な方はぜひ、こちらのリンクからアクセスしてご覧下さい。
http://healingtouchprogram.com/about/founder-s-story